君のいない夜 [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
受(佐倉瑛人):大学生
攻(凛):私立研究所の研究員
瑛人はある日、家の前で倒れている男を助ける。彼は凛と名乗りそして瑛人に会いたかったと告げた。会った覚えのない凛に忘れているのかと問われ、瑛人はひどく戸惑う。何かを忘れている自分、失った記憶の欠片を探そうとする瑛人を阻むものが現れ……。
記憶をどんなに失っても、何度も出会って再び恋をして……
自分をも忘れてしまう受けにそれでも好きだと追い続ける攻めも、
何度出会っても攻めを好きになり記憶の断片を拾い集めようとする受けも、
それぞれに切ないながら互いに相手を想う気持ちが強く伝わってきてぐっとくる。
……んだけど。
どうして忘れてしまうのか云々という肝心の設定に突き詰め感なくてもやもや。
瑛人の記憶を消してしまわなければならない理由をもっとがつん!とくるものにしないと
二人が運命の相手だって強く求め合うのもふわーってしたものになってしまう。
瑛人が凛のことを思い出そうとすると『赤』のイメージがつきまとう理由も
あんなあっさり説明しただけで終わらせてしまって……びっくりしたわ。
なんつーか……
鍵を握っているキリエの書き込みが中途半端なのかと。
何したかったんだろうこの人……
「あいつが何を考えているのか、俺にもよくわからないよ」
激しく同意。。。
あと……
獣設定必要だったのかな?もやもや。
荊の枷鎖 [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
攻(相馬晄久):陸軍大尉
受(伊世阿澄):軍医
昭和初頭、晄久は軍医として着任してきた阿澄と十数年ぶりに再会する。別荘番の息子だった阿澄とはある事件がきっかけで別れたきり行方さえわからなかった。美しく成長し自分より階級が上の阿澄はまるで別人のようだった。だが晄久は変わらず阿澄に接しようとし……。
幼い頃の恋ともまだ呼べない思いが芽生えた途端引き離されてしまい、
再会後は主従逆転していた…そんなお話。
萌えた面白かった!
阿澄側がかなりドロドロしてるんだけど、晄久が明るくて優しい攻めなので読後ほんわか幸せになった。
受けはツン美人だけどそれには理由があって…。ツンデレぶりかわいい(*´▽`)
つかそのツンデレ育てたおじさまが……!ダンダンダンッ
和泉さんの書くおじさまはどーしてこう……!ダンダンダンッ///////
軍服ゴチ\(^o^)/
キョウコさんのイラスト良かったー!
時代的に清澗寺もちろっと絡めてた。
無理だと思いつつもキョウコさんの描く和貴さん見たかったなw
阿澄のドロドロ要因のひとつに晄久の父親が絡んでくるんだけど……
いやもうこの人の歪んだ愛っぷりが琴線に触れまくりでダンダンダンッ///////
前日譚良かった…!もっと!詳しく!読みたい\(^o^)/
満足(・∀・)ノ
終わりなき夜の果て(下) [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
『終わりなき夜の果て(上)』の続きであり、清澗寺家シリーズ第一部完。
やっと読めたよ!
口絵の道貴かわいいいいいいいいいんん(*゚∀゚*)
『終わりなき夜の果て 後編』
遼一郎 × 国貴
上海で暮らしていた国貴はある日、弟である道貴と遭遇してしまう。道貴との再会によって清澗寺家の現在を知った国貴だったが、さらに遼一郎が昔の仲間と会っていることがわかる。清澗寺家を、遼一郎を守りたいと思った国貴は……。
上海に逃げた時点で、国貴の時間は止まっていたのだなぁ。。。
とか思った、コレ読んで。
道貴と再会して、なんだかんだと清澗寺家に帰ることになったけど、
そこでそれぞれに成長してる兄弟たちを見て、国貴の時間も急速に進み始めたように感じた。
アメリカに渡ってやっと落ち着くんじゃないかね、この二人は。
どうでもいいけど、国貴が憲兵に乗り込まれた清澗寺から逃げるとき、
浴室に続く階段が増築されてたエピわろたw
あんな緊迫してる場面で語るエピかw
『せつなさは愛の妙薬』
クラウディオ × 道貴
アメリカに渡った二人。クラウディオは道貴の成長を見届けるためわざと彼を自由にするが、道貴にはそれがただ遊ばせているだけのように感じ、子ども扱いをされていると思えた。永遠の愛を誓いながらもすれ違ってしまった二人は……。
二人の仲もそうだが……。
株っ株っ ……にハラハラして気が気じゃなって(´・∀・`)ダイキョウコウ…
良かったw
いやそれはともかく!
クラウディオ × 道貴 はいいなあ(*゚∀゚*) 甘くっていいなあ(*゚∀゚*)
喧嘩したってそれが愛の妙薬だよv 薔薇薔薇ー!
ふぅ満足。
でももっといちゃいちゃしてる二人が読みたい(*´ω`)
清澗寺家シリーズも第一部完。
それぞれの兄弟たちが、伴侶を選びそれぞれの人生を選び、
でも根本では清澗寺家でつながれていることを実感した上でバラバラになっていく最後に、感動した。
兄弟たちの絆、兄弟だけでなく冬貴と伏見も含めた清澗寺の絆に、泣けたよ……。
BL読み始めて、初めて読んだシリーズモノが清澗寺家。
『この罪深き夜に』を読んだ時、スゲー面白い!と一気にシリーズ集めて読んだなぁ。
『この~』の時は和貴を「なにこのできない次男は!ヽ(`Д´)ノ」と思っていたのも良い思い出(笑)
今でもやっぱり一番好きなシリーズ。
第一部完は寂しいけれど、凄く満足。充足感。
贖罪 [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
受(桜井透也):編集者
攻(穂高櫂):小説家
担当している作家である穂高と恋人として過ごす透也は、幸せである反面、担当であるが故に穂高と付き合っていることを周囲に知られまいとやっきになっていた。だが穂高と男性編集者が恋人同士という噂がたち、透也は穂高から担当を外されてしまう。穂高のことがわからなくなった透也は別れて欲しいと告げ……。
『有罪』『原罪』はCDで聞いたから、まだCD化してない『贖罪』は原作読もう(・∀・)ノ
と積んでるうちにCD化されたよorz
今回は透也が不安になるあまり別れを切り出して後悔後悔後悔する話。
つか当て馬の陽が気の毒すぎる……。そんなイイ人でいなくてもいい。。。
エロは濃くて良いと思いました(・∀・)ノ
終わりなき夜の果て(上) [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
待って待って待ってやっとデタよー(´▽`)ノ
しかもこの厚さ(約2cm)で2段組……!いやあ、読み応えあった!
『宵闇』
嵯峨野公 & 貴久
えー。嵯峨野公と貴久ってどういう関係なの(・∀・)ニヨニヨ
すごく短い話だったけど、この二人の話も読みたいなぁと思わせるw
『終わりなき夜の果て 前編』
深沢 × 和貴
自分に深沢は相応しくない――今の深沢の姿は自分によって歪められた姿なのではないかと思った和貴は、深沢を解放しようと決意する。「出ていけ」と深沢に告げた和貴は……。
和貴さん……(・∀・)
雑誌で読んだ時は深沢の金沢土産(←蝶々w)による○道攻めに、
深沢あああああああ(`Д´)ノ≡○)Д□)
となった記憶しかないんだけど(笑)、改めて読んでみると
甘い!とても甘いわ!深沢ぐっじょぶ(・∀・)b
とか思ったw
いやあ。甘いいいいい。あまりの甘い雰囲気に酩酊した(*´ω`)
私は清澗寺では和貴さんが一番好きで、彼が幸せになることを見守っておるので、
今回とっても満足!
和貴さんもあの通り難しい性格だからさ……(笑)
深沢がんばったなー。・゚・(ノ∀`)・゚・。もうわかった、わかったよ。伏見×和貴大好きだけど、
和貴さんには深沢じゃなきゃ駄目だって認めるよー。
たとえ蝶々をわざわざ金沢まで買いに行く変態だとしても(・∀・)
『罪の褥を満たす愛』
伏見 × 冬貴
嵯峨野公に義康を手放せと言われた冬貴は……。
『罪の褥も濡れる夜』の箱根でのすぐあとくらいの話。
つかもう……
パパン……!
冬貴スゲー。いろいろスゲーw
さすが冬貴は一味違う。彼こそ清澗寺の末裔そして終焉。敵わない。
真 紅 の 湯 文 字 かよ! ←そこじゃない
いやそれは冗談にしても(笑)、冬貴すごかった。
清澗寺の血は冬貴で終わり、和貴ら兄弟は外の血が入ってしまったんだなぁ…としみじみ思ったよ。。。
そんくらい凄かった。あれが清澗寺の血かと(;´Д`)
義康もだけど、冬貴の義康に対する強い執着が感じられた。
「私は義康だけでいい」
なんて言葉、あの冬貴から発せられたら、そりゃもう何もいらないよな……。
冬貴の壮絶なまでの毒気と甘さにクラクラした。
つかこんなパパン相手じゃ、確かに小父様は和貴なんかになびかないわ。・゚・(ノ∀`)・゚・。
『滴る蜜』
深沢 × 和貴
終わりなき~のその後。
名前を呼ばない和貴に焦れた深沢は……。
深沢がんばってる~(・∀・)ノ
もう……
なにこのあまいのーーーーー(≧∀≦)ノシ バンバンバンバンバンバンッッ
深沢!どんどんがんばって!(・∀・)ニヨニヨ
どんどん和貴さんを蕩けさせて!!(・∀・)ニヨニヨ
ニヨニヨニヨ(・∀・)ニヨニヨニヨ
ああ……幸せだ。和貴さんが幸せだと私も幸せだ(*´ω`)
**************
大変な分量だったけど、気がつけばあっという間に読んでしまっていた。
読み応えあったし、読後ものすごく幸せになれた(・∀・)v
和貴編も冬貴編もこれまでになくらいに甘くって、でもそれ以上に、
各々にとって伴侶はこいつじゃなきゃ駄目なんだ!ってしみじみ思う内容であった。
円陣さんのイラストも相変わらず(・∀・)イイ!!
冬貴に押し倒される和貴の絵は小父様でなくとも眼福w
すっごく満足!
下巻も楽しみー(≧∀≦)
バロックの裔~無垢なまなざし~ [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
受(三春):新米掏摸。バロックの住人
攻(松宮良成):子爵家長男
バロックの住人として掏摸を生業にしようと三春が初仕事に選んだ相手が良成だった。初仕事には成功するものの、再び出会った良成にお茶に誘われるなど二人の奇妙な関係が続く。ある日、三春は良成を陥れようとする計画を耳にし、彼を助けるために松宮家に下男としてもぐりこむも、良成にあらぬ誤解をされてしまい……。
副題に【無垢なまなざし】とあるように、三春がひじょーに無垢で健気なやつデス。
この話、大正時代の日本をモデルにした「皇國」が舞台のファンタジー。
皇國には善良な民が住む太陽の街、首都である『皇都』(=都)と、邪悪な民の住む夜の街『バロック』(=砦)があって、三春はバロックの住人なので生業が掏摸。だけれど非常に無垢。掏摸に向いてないほど無垢。
一方、良成は、名門の華族ではあるけれど内情火の車な家の長男。
現当主の父親は経営に才無く子爵家を没落させてるだけに留まらず、後妻の間に生まれた息子に爵位を継がせたがっていて良成を疎んでさえいる。こんな家捨ててやる!と結婚さえ考えていた女と駆け落ちしようとするも裏切られる始末。
そんな良成が三春の無垢さに救われていく――そんな話。
派手さもなく淡々と進んでいくお話だったけど、自分が原因で母を亡くしてしまった時から続いている良成の孤独を埋めていく三春の無垢な暖かさにじんわりきた。
三春が良成を思う気持ちにも、良成が三春を思う気持ちにも、相手を思いやる故のせつなさがあって良かったなー。良成が三春を思って突き放すために投げかけた非情な言葉に涙する三春の描写が、この物語の中で一番好きだ。せつない(´Д⊂ヽ
シリーズモノで、次は今回三春を助けてくれた、桐谷(詐欺師)×古閑(弁護士)。
おそらく和泉さんの真骨頂が見られるのはコチラのカプかと……。
だって桐谷が……鬼畜眼鏡v(゜∀゜)アヒャ
今回もちょろっとその鬼畜ぶりが発揮されてて、三春の前で古閑を。。。w
楽しみだ(・∀・)ノ
とらわれの蜜月 [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
受(野崎七海):家庭教師としてエトミア王国へ
攻(アルセス):エトミア王国第二王子
ロンドン留学中だった七海は知人の紹介で家庭教師として中東の小国エトミア王国へ向かった。だが家庭教師先が国王の息子で、自分よりも年上ということに驚き戸惑う七海。しかも第二王子のアルセスからは宦官が使わした刺客とまで疑われてしまう。陰謀渦巻く王宮で七海を助けながらも冷たい態度を取るアルセス。アルセスから逃れられずにいた七海だったが……。
甘甘なアラブモノかと思ったら、
陰謀渦巻き腐敗した王宮→政情不安→革命
と歴史モノっぽい要素も盛り込まれてて、なかなか読み応えあった。
現代モノかと思ったら、舞台は1906年なんだな。
王位継承第三位だし、二つの呪いをかけられて王位は望めないアルセスを、
どうしても王位につけたい側近のラシードの存在が(・∀・)イイ!!
そしてそんなラシードを自分の半身だと言い放つアルセス。
……七海の存在w
いや、それにはちゃんと理由があるんだけど、なかなか無い展開で面白かった。
ところで清澗寺がちょっとだけ出てくるんだけど、
あれって出す必要あった?(・∀・)
シークレット・レッスン [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
受(秋本真紘):ホテル・ラドリック東京契約社員
攻(久我唯臣):ホテル・ラドリック東京チーフ・アシスタント・マネージャー
当て馬(麻生史人):ハーフなイギリス貴族。ラドリックの役員。
真紘は史人から、自分が久我と史人の賭けの対象にされていたことを知る。久我の自分への愛情を疑う真紘は……。
ちょ。賭け問題って解決してなかったのか(;´Д`)
スウィートの途中で久我自身がアホらしヤメた的態度だったから、もう済んだ話かと。
つか2冊にも渡って描く内容か……。
真紘がホテル内で巻き込まれる事件がアホすぎるw
今回は自殺騒ぎする客に巻き込まれちゃうんだけど、Σ(゜Д゜)えええええーっ?!てそりゃもうビックリするほどの高速解決ですよw しかも別に真紘が説得に成功するわけでもなく、久我が助けるでもなく、客があっさり「ごめんね」と引き下がる。包丁ふりまわすほど騒いでおいてw
あんまりアホすぎてワロタ。
ちょっともう、内容なさ杉で、ある意味楽しいよ。
こうなったら最後まで読む。
スウィート・レッスン [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
受(秋本真紘):ホテル・ラドリック東京契約社員
攻(久我唯臣):ホテル・ラドリック東京チーフ・アシスタント・マネージャー
当て馬(麻生史人):ハーフなイギリス貴族。実は……
憧れのホテルに契約社員としてやっと勤めることができた真紘。しかし経験もない真紘が一流であるラドリックに就職できたのには訳があった……。
一流ホテルにこんなホテルマンいたらダメだろw
的なおこちゃま受けだー(・∀・)ノ
そんな真紘が就業できたのも、当て馬史人が「僕が拾うから落として^^」と言ったためで、その史人に対抗するように真紘を合格させた久我は、史人と【真紘を一人前のホテルマン&史人が満足するような男に久我が教育できるかどうか】の賭けをする。
なにその展開ー(´∀`)
しかもお約束どおり、ホテルマンよりも【史人が満足するような男】のレッスンに重点がおかれるのだよw
しかし、レッスンの開始がさー。
客に「セクハラされた」と涙目の真紘に、セクハラの定義が間違ってる、と真紘にキスする久我。
「セクハラだと言いたいのなら、せめて唇を奪われるくらいのことをされてからいいなさい」
( ゜д゜)ポカーン
ちょ…なんだこの展開www
アホくさくて逆にワロタ。
結構な厚みがある本なんだけど、さらりと読める(・∀・)ノ
タナトスの双子 1917 [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
ユーリ・ドミドリエヴィチ・オルロフ:軍人。侯爵家継嗣。
ヴィクトール・イワノヴィチ・カヴェーリン:ユーリの副官。
ミハイル・アラモヴィチ・フロムスキン:居酒屋の息子。ユーリの双子の兄。
アンドレイ・ニコライエヴィチ・グロトフ:ミハイルの幼馴染。
マクシム・ヴァジリエヴィチ・ラジオノフ:伯爵家三男。新聞記者。ユーリの幼馴染。
失ったものの大きさに生きる意味を無くしたユーリは、シベリア送りになるところを副官であったヴィクトールにより阻止される。以前とは逆になった立場のユーリは、ヴィクトールに抱かれながらミハイルを憎むことでしか生きられないことを植えつけられる。一方、追われる身となったミハイルは共にいるアンドレイを愛していると気づく。過去の記憶も取り戻し、ユーリの愛情を知ったミハイルだったが、軍職に返り咲いたユーリが名を変え、自分を追っていることを知り……。
追う身となり追われる身となり。
互いに憎みあいながらも、互いに半身としてかけがえのない愛情を持つことを知り。
自分の愛すべき人と共に生きていくために選択を迫られ。
ユーリとヴィクトール。
ミハイルとアンドレイ。
二組の愛憎が入り乱れていて、引き裂かれてしまった双子の切なさに、
涙がとまらんかったー(´Д⊂ヽ
二組とも追う側になったり、追われる側になったりと、帝政ロシアが崩壊し革命が起こる混乱とともに立場が逆転するので、どっちにもハラハラした。詳しく見れば齟齬はあるかもだけど、帝政ロシア末期の退廃と混乱とが上手く登場人物たちの複雑な状況に絡んでいて、二段組でも飽きない読み応えのある小説だった。
満足。
ヴィクトールはテラ深沢……w
でも深沢より甘いんだよー(;´Д`)ハァハァハァハァ
どうにも小西さん声で再生してしまったお。
以下、結末について自分解釈を……。
超ネタバレなので未読の方は回避してくださいね。