バロックの裔~無垢なまなざし~ [BL小説 和泉桂]
和泉桂 著。
受(三春):新米掏摸。バロックの住人
攻(松宮良成):子爵家長男
バロックの住人として掏摸を生業にしようと三春が初仕事に選んだ相手が良成だった。初仕事には成功するものの、再び出会った良成にお茶に誘われるなど二人の奇妙な関係が続く。ある日、三春は良成を陥れようとする計画を耳にし、彼を助けるために松宮家に下男としてもぐりこむも、良成にあらぬ誤解をされてしまい……。
副題に【無垢なまなざし】とあるように、三春がひじょーに無垢で健気なやつデス。
この話、大正時代の日本をモデルにした「皇國」が舞台のファンタジー。
皇國には善良な民が住む太陽の街、首都である『皇都』(=都)と、邪悪な民の住む夜の街『バロック』(=砦)があって、三春はバロックの住人なので生業が掏摸。だけれど非常に無垢。掏摸に向いてないほど無垢。
一方、良成は、名門の華族ではあるけれど内情火の車な家の長男。
現当主の父親は経営に才無く子爵家を没落させてるだけに留まらず、後妻の間に生まれた息子に爵位を継がせたがっていて良成を疎んでさえいる。こんな家捨ててやる!と結婚さえ考えていた女と駆け落ちしようとするも裏切られる始末。
そんな良成が三春の無垢さに救われていく――そんな話。
派手さもなく淡々と進んでいくお話だったけど、自分が原因で母を亡くしてしまった時から続いている良成の孤独を埋めていく三春の無垢な暖かさにじんわりきた。
三春が良成を思う気持ちにも、良成が三春を思う気持ちにも、相手を思いやる故のせつなさがあって良かったなー。良成が三春を思って突き放すために投げかけた非情な言葉に涙する三春の描写が、この物語の中で一番好きだ。せつない(´Д⊂ヽ
シリーズモノで、次は今回三春を助けてくれた、桐谷(詐欺師)×古閑(弁護士)。
おそらく和泉さんの真骨頂が見られるのはコチラのカプかと……。
だって桐谷が……鬼畜眼鏡v(゜∀゜)アヒャ
今回もちょろっとその鬼畜ぶりが発揮されてて、三春の前で古閑を。。。w
楽しみだ(・∀・)ノ
2010-09-04 23:17
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