義弟の渇望 [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(鈴木那智):救命救急医
攻(桂城達治):初期臨床研修医
研修医として現れた義弟の達治に那智は苦い思いを抱いた。一度抱かれたものの、突き放して別れた相手だからだ。幼い頃一緒に救命救急医になろうと約束したが親のことでそうすることもできず、しかしそれでも執着をみせてくる達治に那智は……。
執着してくる義弟と、義弟のことは好きだけれど周りの状況から
その思いを受け入れることはできない兄。
構図としてはいいのだけれど、
そうするために設定を作りましたーて見えるくらいに
なんだか話に自然さを感じられない。
受けのビッチさも……なんだか微妙。
変に不自然というか無理あるというか。
面白味どこにも見つけられず。。。
黒衣の皇子に囚われて [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(真山志弦):日本人学校音楽教師
攻(サディク):ファラージュ王国皇子
度重なるアクシデントでヴァイオリニストへの道を諦めた志弦は、ファラージュ王国で日本人学校教師をすることになる。志弦の音楽に惚れ仕事を斡旋したのは皇子であるサディクだった。しかしサディクは王位継承権を奪われ軟禁状態にある身の上だった。紳士的なサディクにいつしか惹かれていく志弦だったが、ファラージュでクーデターが起こり……。
皇子でありながら政治的に危うい身の上であるサディク。
クーデターによってそれまで紳士的だったサディクの雰囲気ががらっと変化し、
実は志弦も利用されているだけだったりとかとか……。
アラブモノらしい展開もありつつ、政治的に緊迫した状況もあって読み応えあった。
でも志弦の言動がたまにちぐはぐ感あって……。
サディクのために犠牲になる潔い決意を見せながら、いざとなったら拒絶したのにはビックリした。。。
あとクーデター起こり過ぎ。
親時代に1回、自分達の時に2回。
50年もないうちに3回も軍を巻き込む内乱に近いクーデター起こってたら
国民疲弊するどころの話じゃないっつーの。。。
ついそこ気になってしまったw
冥愛の鎖 [BL小説 華藤えれな]
華藤 えれな 著。
受(三神文弥):警視庁警備局警護課SP
攻(近衛諒一郎):警視庁公安部管理官
SPである三神は来日する中東の大統領の警護にあたることになるが、打ち合わせの席にいた公安部の管理官に三神は驚く。近衛は以前三神が中東にいた頃に自分を抱き、そして騙した男だったのだ。相容れぬ存在でありながら近衛に惹かれていく三神は……。
出会って甘いひとときを過ごしながら実は騙されていた最悪の出会いから
再会しても互いに反目しあう警護課と公安部に所属し真っ向から対立する二人。
お互いに事情を抱えていて、対立し合いながらもどこか接点があって
無理強いのように身体を重ねながらも狂おしく互いを求め合っていて……
おおう、なんだこれ。
二人の関係がなかなかにハード(・∀・)
面白かった!
愛のマタドール [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(牧原颯也):神学生
攻(ユベール・ロマン):闘牛士
心に傷を追い日本からスペインへと渡り神学生として生活する颯也は、時折どうしようもなくこの世から消えてしまいたくなり、そんなある日の夜にユベールと出会う。お互い素性を隠し一夜をともにするが、その関係は以後も続いた。ユベールが闘牛士だと知った颯也の脳裏に血の悪夢が蘇る。頂点を極めるために闘牛場での死を受け入れているユベールに颯也は……。
贖罪のため生きる男と死ぬために生きる男。
身体は重ねてもお互いの気持ちは交じり合わない……
生きることは贖罪と考えている颯也が行き方を変えた瞬間は感動した。
弱さは優しさ――もすとんと落ちてきた。
フリオ神父の颯也への思いが厳しくも温かくて懐深くて涙した……。
一方のユベールも難しい性格で(笑)、最後の最後に豹変してハラハラしたけど、
これがあっての最後かと納得。
実は人一倍愛に飢えてて寂しん坊だよなオヌシ( ^ω^ )
二人が出会って関係を続けていく中でお互いに生きることの意味を変えていく。
最後の1行まで夢中に読めた1冊だった。
ディアプラ文庫で華藤さん?!てレーベルと作風の違いにビックリしたけど、
レーベル関係なく安定の華藤さんでしたヨカッタ(・∀・)ノ
『神に弄ばれた恋 ~Andalucia~』と世界繋がってますがスピンと呼ぶほどではないかな……。
この作品に『神に~』の主人公二人が出てきますが前作読んでなくても問題ない程度。
『神に~』にユベールは出てきません。 ※一応確認しましたがチェックミスしてたらスミマセン(; ^ω^)
面白かった。
満足。
眠れる森 [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(真汐):男娼
攻(ジーク):マフィア
幼い頃に記憶を失い、十二歳の頃から男娼で生計を立ててる真汐は、ある日傷ついた男ジークを助ける。おつむが弱いと周りから罵られる真汐だったが、純粋な心持ちに打たれたジークは真汐を引き取り教育を授けひとり立ちさせようとする。ジークと過ごすうちに真汐は少しずつ色んなことを知っていく。そのことは真汐を返って苦しめた。ジークといることで人の温かさを知り、寂しさをも知ってしまった真汐はジークに酷いことを言われてしまい……。
(つД⊂)
真汐は無知だからこそ最悪の状況下でも生きていられたわけで。
ひとり立ちさせようとジークに知識を与えられるほどに、
あれこれ知ってしまう真汐がどんどん苦しくなっていく様が本当に可哀想で可哀想で……。
記憶を失ったあとも記憶を失う前も酷い人生を歩んでいる真汐。
かなりの薄幸受け。途中何度も心が痛んだ。。。
最後の最後、もうページ少ないよ?!てとこで
攻めが盛大に受けを疑う勘違いシーンはちょっと鼻白む。
だけどジークの下で働く使用人たちが一斉に真汐をかばって
あげくジークをひっぱたいたという描写には泣いた。
攻めしっかりしろ!www
ただただ可哀想だけで終わらず、健気で純粋で無垢な真汐かわいかった。
イラストもすごくあってたなー。
面白かったー。満足(・∀・)ノ
花隠れ [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(結月千尋):京友禅の店を営む染色家
攻(篁ノ院征司):能楽師
亡き父親の跡を継ぎ細々と染色を営んでいた千尋だったが、借金のためある男に愛人として囲われることが決まっていた。その数日前、突然現れた征司郎。篁ノ院ゆかりの彼は宗家から勘当されたはみだし者だった。無理矢理体を奪われたものの、居ついてしまった征司郎と奇妙な暮らしが始まる。だが彼は……。
征司郎=征司ってわかりやすいがな(´・∀・`)
表題作ではくっつくまで……だけど、書き下ろしの「花篝り」の方はくっついた後、受けが職業的意味での身の振り方に悩む話で、ちょっとイラッとした。なにも出来なさ杉でw
まあ最後は納得する方向で良かったけど!
つか、攻めに息子がいたw
能楽師として篁ノ院家は安泰ですw
これって『執愛の契り』と関連あるのかなーと思ったけど、特にないのかな(´・∀・`)
神に弄ばれた恋 ~Andalucia~ [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(アベル・フェレイラ・デ・ディエズ・バルデス):元貴族、マフィアの後継者
攻(イヴァン・サタナス・モレーノ):闘牛士
アベルはサタナスを死に導く死神、そしてサタナスはアベルを呪う悪霊――そばにいる限りふたりの未来は暗黒に包まれると占い師に告げられた二人は、出会ってからずっと一緒にいるためにも最高の闘牛士を目指して生きていた。だがその道は決して明るいものではなく……。
身分違いの恋で下克上で幼い時の初恋で……
まさに運命の恋。
でもその運命は少しも甘くなくて、互いに強く愛しているのに、
近くにいながらもそれを相手に素直に伝えられない状況の二人。
それぞれの視点でその理由が語られるけど、どちらも深く相手を愛しているからこその行動だから
ものすごく心抉られた。胸が痛くなった。。。
後半は涙ながらに読み進めた。
スパイン行った事ないけど、光と影のコントラストがきついイメージがある。何事に対しても…。
それが上手く活かされていたなあ、と。
光と影の境界線云々のとこは本当に涙が止まらなかった……。
とにかく、二人の愛が一途でとても美しくて、
良い話を読んだと胸いっぱい。
朝南さんのイラストも美しかった。
一枚、一枚、主人公二人の苦しくて崇高な愛が表現されていて…。
今回もとても話を盛り立てるイラストだった。
改めて表紙まじまじ見たらマタドール衣装の刺繍すごい……。
細かいのはもちろんのこと質感とか…本物みたい……。
SS目当てで2冊購入に踏み切ったのも後悔しないくらいに満足。
良かったら読んでみて下さい!
以下ネタバレとちょっとだけ朝南さんのこととか。
(朝南さんのことを先に書きました。その後作品ネタバレ)
破滅の恋-MeuAmor- [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(遠藤叶多):音大生
攻(レイナルド):マフィアの幹部
音大生の叶多は1ヶ月間の留学を終え、帰国前に両親の出会ったポルトガルへと向かった。そこで出会ったレイナルドに犯されてしまい運命の歯車が狂い出す。ポルトガルに残り、侮辱に屈っしなかった叶多にレイナルドは歌を学ばせるため援助をするが、彼が危険と知った叶多は闇へと堕ちていくことを決意する……。
二人の心の推移をもうちょっと書き込んで欲しい……
特に叶多が闇に堕ちる決意をするほどレイナルドに惚れてしまうとことか……
もうちょっとレイナルド側の書き込み欲しいなあ。
――とか思いつつ本編読んでたんだけど、
本編終わってあとがきの後に載ってた番外編にむちゃくちゃ感動した…!
本編あっての掌編だったので……本編いいのか……な?( ^ω^ )?
んん、でももうちょっとレイナルドを……!
番外編ほんと良かったなあ。
いきなりラテンラバーになったレイナルドに笑ったけど、
でも最後は泣いた…泣いた……
おまけのペーパーでも登場人物それぞれに相手への思いがあったのがひしと伝わってきた。
こちらも泣けた。
なんだかんだで満足(;^ω^)
可能ならばペーパー入手をおすすめします。
花蝕の淫-狂おしく夜は満ちて- [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(月嶋清祥):大学生
攻(司波竜二郎):司波組組長
僧になるため京都の大学へと進んだ清祥は竜二郎と出会う。養父母との関係に悩んでいた清祥は竜二郎との出会いで今後の道が見えたような気がしたが、竜二郎は実父が使わした男で清祥に六代目総長を継ぐよう言ってきた。突然のことに驚き戸惑う清祥は、ねじふせられるように竜二郎に抱かれてしまい……。
二人の関係がただ「好き」だけじゃなくて、お互い矛盾に満ちていながらも「好き」に落ち着く愛で、
その絡み合いが情欲に満ちていて良かったなあ。
道成寺になぞられていてそこもまたいい。
朝南さんの口絵、それがすべて表現されてる。
読む前も綺麗だなーと見てたけど、読了後に見ると感慨深い。素晴らしいね……!
ヤクザモノだけど仏教絡ませてて文章がとても美しかった。
コミコミ特典の小冊子は竜二郎視点。
過去も絡めて清祥に執着する故が書かれていて、竜二郎の清祥への矛盾する愛もよくわかる。
小冊子ではその内読めない人も出てくるだろうから、これ、もったいないなあ……。
アマンテ [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(ロベルト・ビアンカ・セラーノ):マフィアの弁護士
攻(ビクトル・コルテス・セラーノ):マフィアのドン
孤児であるロベルトは身を寄せ合って生きてきたレオンとともに、ドン・セラーノにスラム街から引き取られる。ビクトルはロベルトに光のあたる表社会で生きていくことを望み、教育を与え惜しみなく愛情を注ぐ。期待に応えるべく努力したロベルトだが、ビクトルへの愛情は募り側を離れたくない思いばかりが強くなる。だが裏社会に実を落とすことだけは許さないビクトルに、ロベルトの思いは叶わず……。
『サウダージ』のスピンオフ。
登場人物のひとり、ロベルトの話。
レオンとともに引き取られたものの、ビクトルの接し方はレオンとロベルトでは全く違う。
裏社会から遠ざけ、表社会でロベルトが生きることを望むビクトルは、
それが成されるための援助を惜しまず、父親のようにロベルトに愛情を注ぐ。
ロベルトもその意思を汲んで惜しみなく努力する。
もうこの擬似親子関係なに?! ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤ
甘いいいいいいい。
いつ崩れるのかとハラハラしつつ、やっぱり崩れてしまうその後の二人は、
もう切ないの一言(´Д⊂ヽ
裏社会とは関わりなく表社会で生きて欲しい――と願うビクトルと、
ビクトルの側にいるために裏社会に身を落としても構わないと強く思うロベルト。
互いに愛し合っていながら、愛情のベクトルがまったく別方向で交差しない。
身体を重ね愛人という一番身近にいる存在になりながら、
ビクトルは余計に遠い人になってしまって……。
愛情は嫌というくらい募るのに、昔には戻れない、昔とはほど遠い関係に
どんどんどんどん病んでいくロベルト……。
友人までも手にかけなければならないくらいに追い詰められた感情が引き締まるので、
もっと病んでも良かったかな~とも思うけど、ロベルトの切ない気持ちは十分伝わってくる。
そしてビクトルのロベルトを大事に思う気持ちも切ない。
互いに強く相手を思いながら、こんなにも愛情が交わらない話は初めて読んだかも。
もう本当にこの二人の関係は精神的に痛々しい……。
最後はじんわり泣いたよ。。。
サウダージでロベルトが何故レオンを手にかけたのか――。
その動機を書いた作品。これセットで読まなきゃ駄目だろー。
一緒に読むことオススメ。
満足(・∀・)ノ