アマンテ [BL小説 華藤えれな]
華藤えれな 著。
受(ロベルト・ビアンカ・セラーノ):マフィアの弁護士
攻(ビクトル・コルテス・セラーノ):マフィアのドン
孤児であるロベルトは身を寄せ合って生きてきたレオンとともに、ドン・セラーノにスラム街から引き取られる。ビクトルはロベルトに光のあたる表社会で生きていくことを望み、教育を与え惜しみなく愛情を注ぐ。期待に応えるべく努力したロベルトだが、ビクトルへの愛情は募り側を離れたくない思いばかりが強くなる。だが裏社会に実を落とすことだけは許さないビクトルに、ロベルトの思いは叶わず……。
『サウダージ』のスピンオフ。
登場人物のひとり、ロベルトの話。
レオンとともに引き取られたものの、ビクトルの接し方はレオンとロベルトでは全く違う。
裏社会から遠ざけ、表社会でロベルトが生きることを望むビクトルは、
それが成されるための援助を惜しまず、父親のようにロベルトに愛情を注ぐ。
ロベルトもその意思を汲んで惜しみなく努力する。
もうこの擬似親子関係なに?! ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤ
甘いいいいいいい。
いつ崩れるのかとハラハラしつつ、やっぱり崩れてしまうその後の二人は、
もう切ないの一言(´Д⊂ヽ
裏社会とは関わりなく表社会で生きて欲しい――と願うビクトルと、
ビクトルの側にいるために裏社会に身を落としても構わないと強く思うロベルト。
互いに愛し合っていながら、愛情のベクトルがまったく別方向で交差しない。
身体を重ね愛人という一番身近にいる存在になりながら、
ビクトルは余計に遠い人になってしまって……。
愛情は嫌というくらい募るのに、昔には戻れない、昔とはほど遠い関係に
どんどんどんどん病んでいくロベルト……。
友人までも手にかけなければならないくらいに追い詰められた感情が引き締まるので、
もっと病んでも良かったかな~とも思うけど、ロベルトの切ない気持ちは十分伝わってくる。
そしてビクトルのロベルトを大事に思う気持ちも切ない。
互いに強く相手を思いながら、こんなにも愛情が交わらない話は初めて読んだかも。
もう本当にこの二人の関係は精神的に痛々しい……。
最後はじんわり泣いたよ。。。
サウダージでロベルトが何故レオンを手にかけたのか――。
その動機を書いた作品。これセットで読まなきゃ駄目だろー。
一緒に読むことオススメ。
満足(・∀・)ノ
2011-04-24 15:49
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