狂愛カタルシス [乙女&ドラマCD&他]
守村誠司:皇帝
時は大正。
六原家の令嬢として生まれながら、父親の急死により跡継ぎもなく後見人も定まっていなかった六原家は廃嫡、借金のかたに吉原へ売られてしまう。水揚げが5日前となった夜、かつて奉公人であり今は陸軍少尉となった守村誠司が現れ……。
内容的にはシリアス。最終的には重め。
うたい文句である狂おしく歪む愛の形、異常なまでの執着。
時代背景とともに退廃的な雰囲気が漂う狂愛に溺れていく……
なものを目指してるんだろうなとわかるものの、
シナリオが追いついてない感じ。。。
エチ部分も流れ的に無理矢理になってしまうからこそ、
官能さが欲しかったし、歪んでるとはいえ愛はもうちょっと感じられると良かった。
なにより「貴女」の性格設定がぼんやりしている。
令嬢としておっとり感を出したいのか、高貴さを出したいのか。
どっちつかずで存在感がイマイチになってしまっていた。
狂愛を向けられる側がぼんやりだと狂愛も宙ぶらりんになってしまう。。。
皇帝さんのトーンは低音寄り。
演技はさすが。普段と貴女に執着する時の口調がガラリと変わる。
ここは本当に執着と狂愛を感じられていい。
悪くはないけどちょっと残念だったという感想。
シナリオ大事……。
以下、ネタバレでの感想になるのでお気をつけください。
結局、父親を陥れたのも貴女を吉原堕ちさせたのも、貴女に執着した故の守村の仕業なわけだけど、
この設定だけで行けば良かったのに……と思う。
ここにさらに、
予想外な借金の存在=計画が狂った
を加えて殺人も犯していた守村はにっちもさっちもいかなくなって
最終的に死ぬしかなるわけだけど。
この設定を加えたために守村の執着&狂愛が薄れてしまった気がする。
なんていうか……ここで一気に守村の駄目ぶりが出てしまって、役としてどうかと思った。
恩ある当主を追い落とし、娘を遊女に落とし、助けられるのは自分だけだと吹聴する。
その間も娘に関わった人物を殺していく。
これだけでも最後追い詰められての死に行きつくし、
守村の娘を手に入れるための緻密な計算高さと異常さが際立って良かったと思う。
腹黒いカッコよさを残して欲しかった。。。
あとやっぱり女の子の基本設定が弱いから共に堕ちていく感がとても薄い。
男のしてくる事を嫌がりながらもどこか溺れていて、
執着を否定しながらも狂愛に引きずられるようにいつのまにか惹かれている。
そうして最後は共に死んでいく……
こういう感じなんだと思うんだけど、惹かれている感も薄いから、そこに退廃や官能が感じられない。
最後も夢オチと言われているけどあれはここから始まるを示唆するっていうか、
ここから最初に戻るループっていうかそういう感じにしたいんではないかと……
実際のところはわからないけど。
でも夢オチに感じてしまうシナリオではあった。
ステラワース限定盤特典CD『愛なる契り』、これこそ夢オチ。
父親も生きており華族の娘のまま守村と幸せな結婚をする。
本編が悲劇なだけに、幸せな描写なのに切なさと虚しさを感じる。
うん……本編がしっかりさえしていれば。。。
うーん……
世界観は悪くないだけに、シナリオの出来が本当に残念だった。
タグ:立花慎之介
2014-10-18 22:18
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