夜をわたる月の船 [BL小説 木原音瀬]
木原音瀬 著。
攻(河瀬史):大手食品会社勤務
受(柴岡保弘):受けの上司
営業部に所属する河瀬は上司である柴岡に商品企画部への異動を願い出た。「仕事ができて、優しくて、信頼できる上司」である柴岡は人事にも顔が利くようだったからだ。だが口利きの条件として柴岡が上げてきた提案に河瀬は息を呑んだ。「わたしとセックスしてほしい」――逃れられなくなった河瀬は柴岡と寝るが、異動になったのは自分ではなく柴岡だったことに河瀬は……。
( ゜д゜)
いまだかつて、こんな可哀相な目に遭う攻めを見たことがあるだろうか。。。
とにかく受けがうわてすぎる。嘘も平然とつくし皆に見せてる姿は『擬態』。
どれか本当の柴岡の姿なのかわからない。
頭いいんだよ、この受け。だから会話してると受けが望むように行動を取らされてしまう。
死にたいと思ってる柴岡に、自然とこいつ殺してやる!と思うように仕向ける会話をしていたり。
河瀬はなんでこんな目にあわなきゃなんないの?(´Д⊂ヽ
とかずっと思いながら読んでた。
最初の選択肢からして逃れる道がない。
「わたしとセックスして欲しい」
→yesなら口利き (でも男と寝るなんて絶対嫌だ!)
→noなら柴岡が定年になるまで企画部には異動させない (ええええ!その頃には俺が使いもんにならねー)
(´Д⊂ヽカワセ……
逃げ道のない選択肢にのっけから驚かされた。柴岡こわい……。
とにかく柴岡の【闇】が凄かったよ。。。
「心の中に闇なんてないんだよ。それを理解できない他人が、理解できないものに、便利な名前をつけただけのことなんだ」
と柴岡がいうんだけど、まさにその通りで、柴岡を理解するのは難しい。
柴岡のもつ闇の原因はそう突飛なものでもなかったけど、攻めを巻き込んでいくような行動はまさに【闇】で、柴岡がわからなくって本当に怖かった……。最後は、ああそういうことだったのか……とは思うものの、やはり目をつけられてしまった河瀬は気の毒だな、という思いは払拭できなかった。
読み応えあったけど、読後、アホーな甘甘の話が読みてー!と思ったのも事実デス。。。
あと、
木原さんの中年ブームはいつ終了するんだろう。。。
2009-12-02 21:31
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