寡黙な華 [BL小説 榎田尤利]
榎田尤利 著。
受(櫻林院千早):侯爵家嫡男
攻(三峯邦彦):財閥家の息子。櫻林院侯爵は伯父。
櫻林院侯爵には嫡男の千早がいたが、養子に甥である邦彦を向かえ彼に爵位を継がせようとしていた。千早はあることがきっかけで、それ以来ずっと離れでの生活を続けており人前から遠ざけられていた。たおやかな白い花。その花を手折るために櫻林院家へと向かった邦彦だったが……。
執着攻めだった。
幼少時に一緒に暮らしていた時期が二人にはあって、その後千早が屋敷の奥深くに「病気だ」という理由で押し込められてしまって、大人になるまで会えなくなってしまうのだけど、攻めは幼少時の思い出のままに千早を自分のものにしたいと思い続けていて……。
美しいものを踏みつけたい、清廉な存在を穢したい。
この手で彼の花を手折る時、どんな薫香が立ち上るだろう。
感情が昂ぶって、この言葉どおり、千早という花を乱暴に手折ってしまう邦彦。
けれど邦彦は8歳の時に千早の身に起こったことを知らなくて、知らないままその再現をしてしまい、千早を壊してしまう。
ここはちょっと泣けた。
恐怖で正気を保てないでいるのに、千早は邦彦に対しては決して怒っていない。
それどころか昔のように、弟を守る兄のように接してくる。
知らなかったとはいえ、千早に対して無体なことをしてしまった自分を悔やむ邦彦の背中は侘しい……。
そして。
最後の千早は本当にかっこよく成長していた!
雪舟さんの絵がまた素晴らしい。白百合の君ー(*゜∀゜)ジーン
千早の懐の深い愛に感動した。
2009-11-11 21:45
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