銀の雫の降る都 [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(カレル・エサイアス):執政官
攻(ユーリス・アラヤ):カレルの護衛
カレルはある日ほんのきまぐれで売りに出されていた少年を買い取った。里へ帰るように促したが、帰らないと言う少年にカレルはユーリスと名を与え側に置く。成長し国一番の剣闘士となったユーリスは褒美としてカレルの護衛役を志願する。病気故にこれまで肉親にも愛を注がれなかったカレルは一身に愛情を注いでくるユーリスに……。
受けは見た目三十歳前後ながら百年以上生きている、など架空設定のファンタジー。
とはいえ、剣闘士など実際あるものをそのまま使っているので
【ファンタジー】っぽさがあまり感じられないんだけど。。。
これ、もっと【ファンタジー】っぽかったら最後の展開もアリかなて思うんだけど。
えーうーん、どうなの。
以下、内容バレで話をするので未読の方はご注意下さい。
カレルは病のためもうすぐ死ぬ運命にある。
今まで死ぬことを受け入れてきたけれどユーリスの愛を受け入れてしまったカレルは
もっと愛したかったし愛されたかったと・・・クローン再生を選択する。
※一応反転しておきます
それって本人なのかなぁというモヤモヤももちろんあるし、本人か別人か議論は置いておいても、
で?どうしたいの?て思った。。。じゃあ今度はカレルがユーリスを看取るんですか。。。
遺伝子的な病のために小さい時から肉親からも疎外され、結婚も望めず子も残せず、現時点では性交渉さえ体力(命)を削るだけだから愛する人さえ作らない。死を受け入れニュートラルにただ生きていたカレルが、ユーリスの静かに献身的に一身に注いでくる愛情を知って、今まで過ごしていた時間を無為と感じもっと愛したいと思いながら死んでいく――
これでも十分いいと思う。
もっと生きたかったし愛したかったの解決方法が、現時点で人によっていろんな考えがある方法を
安易にさらっと使っていてなんともいえない気分。
なぜこの世界でそれが当然のように行われているのか、その説明も足りないと思う。
たぶん長寿命だからなんだろうけど。
最初にも書いたけど、もっと【ファンタジー】色が強ければファンタジーだしね、あっちの倫理観がそうなのだろうと思えたんだけど、実際存在する設定をそのまま使っているため【ファンタジー】な国(世界)といよりは歴史モノを読んでいるような妙な現実っぽさもあり、その結果モヤモヤだけが残った。
どうせならローマ時代を舞台にした歴史モノで読みたかったな。
【ファンタジー】に逃げないでさ。
2013-04-07 22:03
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