墨と雪 [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
平河寮シリーズ。
しんどい場面もあるものの甘い感じはとてもいい。
面白かったんだけど、篠口も黒澤も一癖あるキャラなのに、
ちょっと書き切れてないと感じる。
そこがちょっと残念。
以下、ネタバレにあたる可能性があるのでご注意ください。
これ一冊で事件は解決するけれど、
二人の関係はセフレからちょっといい感じになっただけ。
エチも最後までいっていない。。。
あとがきによるとまだ続きがある、と。
うう~ん。
続きにするのなら、もっとじっくり書いても良かったのではないかなあ。
篠口も黒澤もありきたりなキャラじゃないだけに、
そこがカップルとして成立していくのが面白いと思うのだけど、
その二人の奇妙さがイマイチ書き切れてないと思うんだ……。
事件自体も、内容的には悪くない。
でも細部で残念なことが多い。
発生の仕方が突然というか、受けに不覚すぎる点がある。
救出劇も立場上仕方ないのもわかるけど、攻めが全く手を出さない(出せない)のに、
入院中の付き添いはするという、ちょっと不可思議なのは否めない……
二人の関係も絡めて少し工夫すれば不自然さは回避できると思われるだけに、
勿体ないなあと感じた。
一冊だとしてもそこはちゃんと書いて欲しいけれど、
始めから続きを予定してるなら余計にじっくり書いて欲しかった。
全体的には好きな話だったから本当に勿体ないとそう思う。
とりあえず続き楽しみに待ってます……一年後て( ;∀;)
Calling [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(矢方怜):日本特区所属情報捜査員
攻(丹沢斎):極東ロシア軍医師
インターネットの発達した世界でサイバー戦争が顕著になり始め、それは第三次世界大戦以降さらに加速、2049年の現在では物理的な軍事攻撃よりもインターネットを経由したサイバー攻撃が主となっていった。かつての国の形態は崩れ、新たに設けられた特区の中で、特殊能力を持つ怜はサイバー空間内でのエキスパートとして働いていた。しかしある日突然、斎と名乗るロシア軍医が昔の知り合いのように話しかけてきて……。
近未来SF。
しかし肝心の設定部分が最初の時点でさっぱりわからず、
世界観に入り込めないまま終わってしまった。。。
近未来&SFなのだから、最初にこういう世界ですという説明をして欲しい。
この記事を書くために見返したらその説明(上のあらすじ)は67ページ目に書いてあった。
遅い……
しかも主人公たちが戦っている場がバーチャルで非常に視覚的要素が高い。
銃や身体を使った物理的な戦いではないためにイメージするのが難しい。
というかその助けになるだけの文章がない。
世界観に入り込めないと登場人物にも感情移入できない。
ていうか、受けが意図的にそうさせられているとはいえぼんやりしすぎ。
それならそれで囚われ感が強いといいのだけれど、捕えている一ヶ瀬も結局何がしたいのかぼんやり。
だから受けを救出しにきた攻めもぼんやり…。
根本的な世界観がこちらには伝わってこなかったので、
エロが多くても人物がどう動いても何も響いてこなかった。
これはもっと腰を据えて書くべき題材だったと思う。
円陣絵は雰囲気に合っていて良かっただけに、勿体ないとしか言いようがない。
オオカミの言い分 [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(高岸恒):弁護士
攻(末國有智):弁護士
事務所は違うが年齢が近いこともあり親しくしていた二人だったが、実は末國は高岸狙いで何かと秋波を送っていた。高岸にとってそれは、ただ単にからかわれているにすぎず、全く気付いていなかった。しかし末國がゲイだと知り、同期と仲良くしている姿に意識し始めてしまった高岸は……。
ほのぼの!ほのぼの!
『天使のささやき』カプが好きな人にはオススメ(・∀・)ノ
からかいながらちょっかい出す年上→ニブちん年下の構図。
ただ、天使~のような事件っぽいことは全く起こらない。
本気でほのぼの(笑)
もう少し、末國にオオカミらしさがあっても良かったのにな~。
変に引いちゃって……それが作戦だとしてもさ……
もうちょいぐいぐいいけ!!!
ほのぼのすぎて二人のやりとりももうちょっと刺激が欲しい!
……とも思うがこういうの好きです(・∀・)
甘い~。ほっこり。
満足w
天使のささやき 2 [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(名田彰人):警視庁警備部警護課(SP)
攻(峯神瑛士):警視庁警備部警護課(SP)
同じSPとして働く峯神と恋人同士になった名田は寮内でのセクハラめいた触れ合いに生来の生真面目さから戸惑いつつも喜んでもいた。仕事でも足りない部分を補うような峯神の配慮に、名田自身もついていこうとする。そんな峯神が寮を出る準備を始めたことに名田は……。
『天使のささやき』の続き!待ってたーヽ(゚∀゚)ノ
私、この峯神×名田カプが好きでして……異常に好きすぎまして……
この続編、読み終えるのが嫌で嫌ですんごい時間かけて読んでました。。。
読み終わっちゃったよ(´;ω;`)ブフォォォォォ
続編にありがちな、恋人になった→喧嘩したパターンじゃない!良かったー!
事件ももちろん起こってSPな二人の活躍もあり。
名田くんの弱点補完をするために、『甘い水』の遠藤&神宮寺までご出演。
楽しいヽ(゚∀゚)ノ
つかなんつっても、
いちゃついてる二人にこっちが幸せになって
幸せすぎて死にそうになったYO・・・_:(´0`」 ∠):_
峯神の、名田くんへの愛があふれすぎていて、だだ漏れすぎてハゲ死んだ。。。
またそれに応える名田くんも素直でなあ……
なんだよお……
(;´Д`)ハァハァ (*´Д`)/lァ/lァ (*` Д´)//ア//ア!!
あ……もう幸せすぎて涙でそうです。
峯神さんの制服写真、私にも回して!ねっ!名田くん!
同居は2~3年後とは……とは……ギリギリッ てしてたら
ショートの「夏色ボーイズ」ですでに一緒に住んでてひっくり返りましたよね。ヤッタネ!
うわーうわー!
ほんとにもっと読みたいよ~この二人の話(つД⊂)
峯神の、兄との確執話(過去)も読みたい。
『Zwei』にその頃の、荒れてた峯神さんの描写がちょこっとあるんだけど、これをがっつり読みたいのです(・∀・)ノ
でもBLにならないからなぁ。。。
無理かもしれないけど読みたい。
蓮川さんのイラストも良かったー!
大満足(・∀・)ノ
銀の雫の降る都 [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(カレル・エサイアス):執政官
攻(ユーリス・アラヤ):カレルの護衛
カレルはある日ほんのきまぐれで売りに出されていた少年を買い取った。里へ帰るように促したが、帰らないと言う少年にカレルはユーリスと名を与え側に置く。成長し国一番の剣闘士となったユーリスは褒美としてカレルの護衛役を志願する。病気故にこれまで肉親にも愛を注がれなかったカレルは一身に愛情を注いでくるユーリスに……。
受けは見た目三十歳前後ながら百年以上生きている、など架空設定のファンタジー。
とはいえ、剣闘士など実際あるものをそのまま使っているので
【ファンタジー】っぽさがあまり感じられないんだけど。。。
これ、もっと【ファンタジー】っぽかったら最後の展開もアリかなて思うんだけど。
えーうーん、どうなの。
以下、内容バレで話をするので未読の方はご注意下さい。
カレルは病のためもうすぐ死ぬ運命にある。
今まで死ぬことを受け入れてきたけれどユーリスの愛を受け入れてしまったカレルは
もっと愛したかったし愛されたかったと・・・クローン再生を選択する。
※一応反転しておきます
それって本人なのかなぁというモヤモヤももちろんあるし、本人か別人か議論は置いておいても、
で?どうしたいの?て思った。。。じゃあ今度はカレルがユーリスを看取るんですか。。。
遺伝子的な病のために小さい時から肉親からも疎外され、結婚も望めず子も残せず、現時点では性交渉さえ体力(命)を削るだけだから愛する人さえ作らない。死を受け入れニュートラルにただ生きていたカレルが、ユーリスの静かに献身的に一身に注いでくる愛情を知って、今まで過ごしていた時間を無為と感じもっと愛したいと思いながら死んでいく――
これでも十分いいと思う。
もっと生きたかったし愛したかったの解決方法が、現時点で人によっていろんな考えがある方法を
安易にさらっと使っていてなんともいえない気分。
なぜこの世界でそれが当然のように行われているのか、その説明も足りないと思う。
たぶん長寿命だからなんだろうけど。
最初にも書いたけど、もっと【ファンタジー】色が強ければファンタジーだしね、あっちの倫理観がそうなのだろうと思えたんだけど、実際存在する設定をそのまま使っているため【ファンタジー】な国(世界)といよりは歴史モノを読んでいるような妙な現実っぽさもあり、その結果モヤモヤだけが残った。
どうせならローマ時代を舞台にした歴史モノで読みたかったな。
【ファンタジー】に逃げないでさ。
鮮烈に闇を裂け [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(高梁晄):SAT第二制圧班
攻(飯田真也):SAT第二制圧班班長
飯田の強い希望で第一班から第二班へ移ることになった高梁は、親交を深めるために訪れたキャンプ地で飯田に抱かれ付き合って欲しいと告白される。犬伏を密かに思っていた高梁だったが叶わぬ思いとも知り、飯田の大事にしてくれるという言葉に承諾した。だがそのうち、飯田にとって自分は誰かの代わりなのではと疑惑が生じる。そんななか銀行立てこもり事件が発生し……。
あやふやなうちに始まったなりにも高梁が飯田に心許す理由や過程を
もう少しじっくり書いて欲しかったかな。
自分は飯田にとって女のかわりでしかないんだろうかって高梁は悩むけど、
そんな高梁も流されるままずるずるーてしか見えないんだよね……。
高梁の、家族がいないって寂寥感からの、居場所とか大事にして欲しいとか、
言いたいことはわかるんだけどこちらに伝わってくるまでは何か物足りなく感じた。
ところで飯田がムッツリらしいんだけど……ムッツリに感じなかった。。。無口で朴念仁としか。。。
あとがきで作者にムッツリムッツリ連呼されて、その後「ムッツリについてのショート入れてます」
て言われて正直……(´・∀・`)
そのSS自体は悪くないのに、あんまり強調されるのも萎えるな~て思いましたハイ。
SATが突入しなければならないのだから仕方ないとはいえ事件が重々しい。
かわいさんの警察モノ読んでると、たまに恋愛模様と事件の乖離感凄くて困惑する。
ここまで重い事件をBLに求めるかどうかは好みだろうが、個人的にはここまで重い要素はいらないなぁ。
ルチルはレーベル的にさくっと読めるという意識が自分の中にあるので余計にそう感じる。
結局読みたいのは二人の恋模様なのだし。
夢にも逢いみん [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(清暁親王):桂の宮
攻(藤原尉惟):左大臣家長男
父帝に東宮にと遺言されながら右大臣家の策略によりそれを果たされることなく桂に住んでいた幼い清暁親王は尉惟により左大臣家に居を移した。桂の宮と呼ばれ自分を愛おしみ育ててくれる尉惟にいつしか宮は恋心を抱いていた。遅めの元服も果たし尉惟の妹を妻に娶った桂の宮だが尉惟への想いは日ごと募っていく。尉惟と肌を合わせてもその想いはますます強くなるばかりで……。
よくある主従モノかと思いきや・・・
(*゜∀゜)=3ムッハー
予想をいい意味で覆された!
桂の宮は尉惟にとって若紫のごとく自分が育てたようなものだけど、
位としては桂の宮が上なので。。。
宮が迫ったときに主従モノっぽく
「宮様……いけませぬ」
とか……言わなかったYO!がばっといったよ!最高ーーーー!
その上、尉惟の桂の宮への執着がめっちゃ(・∀・)イイ!!
桂の宮を雁字搦めにするため、自分の妹を桂の宮に嫁がせ&桂の宮の姉の降嫁願って実現させて。
血による雁字搦め……!この時代に合ってて凄くいいよーいいよーゴロンゴロン
そんな尉惟に対する桂の宮も、庇護対象でありながら唯々諾々とはならない、
秘めた情熱と妖しい美しさと妖艶さを滲ませて(・∀・)イイ!!
尉惟による雁字搦めが返って桂の宮には婚姻という辛い仕打ちとなっていて、
そのせいで弱くなって闇まで引き寄せてしまって……
一番近くにいながらいつの間にか気持ちが少しずつ離れてしまっていた二人。
相手を想い過ぎて感情どろどろどろどろどろどろどろどろ(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ
執着×執着イイ!たまらん……!
互いの婚姻や東宮につくまでなど、時代背景と二人の関係がいい感じで書かれてた。
基本平安だけどちょっと中国も入ってるよなぁ……て、あっ幻の国じぱんぐねふぁんたじーねw
面白かったー!満足(・∀・)ノ
Zwei [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
攻(山下暎):刑事
受(須和祐介):検事
高校・大学と一緒だった二人はそのうち疎遠となり三十過ぎた今、違う職種で再会した。一番近い位置にいながらも好きという認識までいかなかった昔を懐かしく思い返しながら、山下はまた須和に惹かれていく。以前と違い一線を越えながらも山下は須和が自分を信じていないことに気づく。それは自分が過去に犯した過ちからだった……。
親友以上恋人未満だった眩しい高校時代、しかし色んなことで山下が自ら分断してしまった大学時代。
そういう甘酸っぱくも苦い関係を、三十過ぎてやり直す同級生二人……が話のメイン。
刑事と検事という職種ながら、二人が事件で絡む事はない。
えええーと正直思った。
絡まなくてもいいけど、それなら検事じゃなくてもいいし、恋愛面重視ならそっちに話の重きを置いていいのに山下の周りで起こる事件は重いし置かれる立場も難しくて、だったら相手検事なんだがら絡ませてもいいんじゃない?……と。
事件は重い、恋愛はほんわか、で二つがあまり噛み合ってなくてちぐはぐに感じた。
んー。あとですね。山下と須和の関係ね。
読み終わってみると、山下の須和への行動は女性に対するものだな、と。
須和を女性に置き換えても違和感ないな、と。
山下は仕事のことで須和に相談するけど、須和は検事という職種ながら一切関係してないので、結局は聞き役でしかない。山下は聞いてくれることに満足してる感じで終わり、実際、解決の道を示してるのは峯神弟であり警察関係者の同僚。
大学時代に自分が裏切ってしまったためにどこか自分を信じきれない須和に誠意を示すため、異動先の広島に足しげく通うのも女性に対してのような行動。
そのうえ最後、実質クリスマスではないけど、クリスマスに合わせてマリッジリングをプレゼント。
すみません、正直どん引きました。。。
もうこれ女性じゃーんヽ(´ー`)ノ
このカプ、自分には合いませんでした。
『天使のささやき』『甘い水』リンク作。
時系列としてはこの話が前作2つより先。
荒んだ峯神さんが何故荒んでいるのかそこ詳しく!!!!!!!!!(゚∀゚)=3ムッハー
いいわーいいわー峯神さんいいわー。
篠口さんも出てきて平河寮の面々は楽しかったw
星屑シトロン [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(弾正忍):生徒会長
攻(堂本櫂):副会長
生徒会の役員を受ける条件として弾正を生徒会長にすること。堂本の一言で次期生徒会長の指名を受けた弾正は、その理由が堂本が自分を気に入っているからだと言われあ然とする。そのまま生徒会長になったものの、最初に尻がいいなと言った堂本が弾正はずっと気になり……。
『空色スピカ』『流星シロップ』に続く清泉学院シリーズ3作目。
時系列ではこの会長副会長カプが一番古い。
先代生徒会長に任命されて次期生徒会長に……の流れも3作目ともなるとダレる。
それなのに今までで一番特色のないカプで。。。
内容的にも目玉となるような学校行事も事件もなく、
淡々とふっつーな学生生活が綴られて……
えー。
読んでてとても退屈でした(キッパリ
これ、二段組にまでする内容だったのか?
学生のたわいもない(=内容ない)会話を延々続けられて辟易(;´Д`)
堂本と弾正のカプもカプになる要素が特にないままスルスルーとくっついちゃって。
つか、弾正あんなにビビってたのに
「(こんな真似を許すのは)おまえだけだからな」
ていきなりインサート許しててなんだそれ(;´Д`)
つか弾正の良さがオイラにはわからねえぇぇぇ(;´Д`)
最後の最後で肩透かし喰らった。。。
ん?でもこのシリーズってまだ予定あるのかな??
とりあえず現時点では3作だけど、3作を通して読んでみると
ムクさんのイラストはこの作品には微妙に合ってないと思った。かわいいんだけどね……。
本文の印象と違うよなーと間々思った。攻めは特に。
流星シロップ [BL小説 かわい有美子]
かわい有美子 著。
受(峰秀一):生徒会長
攻(衛守啓士):副会長
幼い頃に自分を助けてくれた傷を持つ衛守に清泉学院で再会した峰は、そこでも先輩に襲われそうになったところを助けられた。ずっと衛守を好きで側にいて欲しいと思っている峰は、生徒会長に指名されたとき副会長を衛守にと決める。峰の思いに衛守は……。
清泉学院シリーズ第二弾。
『空色スピカ』のひとつ前の生徒会長峰のお話。
シリーズの中でこれが一番自分好きそうだな、って
つかこれ読みたくてシリーズ読み始めたみたいな……
めっちゃ当たってたwww
外見王子様な峰の、衛守に対する執着がドロドロ腹黒なのが(・∀・)イイ!!
爽やかに衛守を自分の側に置く算段をし実行している峰が(・∀・)イイ!!
王子様なのにお姫様、お姫様なのに王子様な峰が可愛くて悶え死んだ。
腹黒とかよおおおおお可愛すぎダロ死んだ……。
そんな峰のこと全部わかっていて、無骨に無表情に、でもすべての峰を受け入れる
衛守がこれまたかっこ(・∀・)イイ!!
なんでこれだけ二段組じゃないのおおおおおお!!!!
と軽く切れるくらいにはこのカプ好き好き大好き。
もっと二人がいちゃいちゃしてるとこ読みたかったなあああ。
機会があったら書いて欲しい(・∀・)ノ