こいのうた [BL小説 高遠琉加]
高遠琉加 著。
攻(有坂八尋):高校生
受(狩谷潤):英語教師
両親の不仲が原因で家に帰りたくない八尋は音楽室でピアノを弾く狩谷と出くわす。その後、狩谷と過ごすことが多くなった八尋だが、ある日狩谷が男に抱かれているところを見てしまう。そして狩谷の心はある男に捉われていることも知る。だが子供だった八尋にはどうすることもできず、そのまま別れてしまった狩谷と社会人になった八尋は再会し……。
高校生の時と社会人になってから、の2本仕立て。
どちらも攻め視点。
高校生の時の、子供なだけに周囲の大人に振り回されてしまうやりきれなさと
大人たちの事情に踏み込めないもどかしさがあった上で社会人編に繋がっていくので、
ずっと攻め(八尋)視点なのは構成的に凄く良かった。
年月を経て周りも自分も少しずつ変わってきたのに、
ずっと変わらずにただ「どこかにある居場所」を求め続ける狩谷を、
時間をかけつつもそれは自分だと結論させた八尋の情熱と諦めない想いに静かに感動した。
狩谷の捉われていた過去とか、お涙頂戴的に劇的展開で描写するのではなく、
たんたんと過ぎ行く時間の中で変化していくものとしていかないものの対比で書いていたのが
静かなだけに逆にせつなくて涙した。
当て馬の柳本が、狩谷とずっと一緒に一番側に居ただけに
割をくっちゃった形で本当に可哀想だった……。
いい男なのにw
がっつり読み応えあった。
満足(・∀・)ノ
2012-03-12 20:33
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