パブリックスクール: -檻の中の王- & -群れを出た小鳥- [BL小説 樋口美沙緒]
樋口美沙緒 著。
好みと全く合わなかった。
この作品好きな方は読まないでください……
攻めは延々とイライラとし続け、受けは延々とうじうじしている。
いつもの樋口節。
攻めのよくわからないイライラはどうしてここまでと感じるし、
それを黙ってじっと受け入れる受けには共感できない。
根本的にこの著者の好きな(書く)受け攻めには萌えられない。
それとともに話の展開的にももう少し、どうして攻めと受けが
そういう態度を取らなければならないのかの理由が欲しい。
物語の中で著者は、攻めが受けを逃がそうとしている描写をしていて、
受けも絶対に逃げられない理由があるわけでもない。
それにも関わらず、二人は気持ちが合わないままに一緒に居て、
辛いだけの年月を重ねながらすれ違いを続けていく。
これはこれで物語の醍醐味ではあるのだが、
延々と大ボリュームで二冊にもわたって続ける内容だったのかな、と。
攻めがイライラする理由も、受けが攻めに固執する理由ももっと欲しい。
とうか不自然に感じさせないでほしい。
攻めがもっと落ち着いて話せばいいだけ、とか
受けがもっと周りを見て自分で考えればこの話は早く終わる。
そう思ってしまう要素がある……
そこがなければ、二人が絶対に対でなきゃいけない理由も生まれると思うんだけどなあ。
刊行後、著者が感想を凄く気にしていたから何か変わった展開でもあるのかと思ったけど、
特に何もなくいつもの樋口節だった。
上巻最後の、攻めのイライラ爆発→何故か強姦展開で次巻に続く!
にはまたこれかと辟易した……。
あと個人的にはこの受けを「健気受け」と表現することには抵抗がある。
理不尽な暴力も蔑みの言葉もただじっと黙って受け止めるのが健気だなんて……
納得いかない。
大ボリュームで延々すれ違いを読まされてるだけで、
やっとハッピーエンドに到達した頃には疲労感しか残っていなかった。
愛はね、/ぼうや、もっと鏡みて [BL小説 樋口美沙緒]
樋口美紗緒 著。
受(多田望):予備校生
攻(本山俊一):大学生
幼い頃から自分の世話を焼いてくれていた俊一に望はずっと片思いをしている。ノンケである俊一はその気持ちに答えず、望は他の誰かと交際をしては殴られて泣く日々を送っていた。それでも笑う望に俊一は……。
(´・ω・`)
正直、感想書くためもう一度反芻するのも嫌な気持ちです。
主人公である望がDV男から離れられない典型的なタイプで、
そのことを俊一とくっつくことで解消していく話にしても……
イライラしっぱなしで疲れました。。。
続編である『ぼうや、もっと鏡みて』は一年後の話。
攻め視点で俊一が望への気持ちを(やっと)認識するまで。
前作で俊一も俊一だとは思ってたけど
望も俊一も本当に面倒くさい。
二人が早くくっつけば周りで不幸になった人減ったのでは?
読むのにはお金も、そこそこの時間も割く。
それならイライラするよりは、喜劇でも悲劇でも自分が面白いと思う話を読みたいと
しみじみ思った。
狗神の花嫁 [BL小説 樋口美沙緒]
樋口美沙緒 著。
受(鳥野比呂):最後の里人
攻( ):狗神
街から離れた山深い地域で祖母と二人で暮らす比呂は、二十歳の誕生日に約束だと狗神に連れ去られ、妻として無理矢理抱かれてしまう。倒れた祖母を気にしながらも狗神の領域から出られない比呂は、当の狗神とも心通わすこともこともできず鬱屈した毎日を送っていた。ある日、祖母の元へ連れて言ってくれるという八咫の神の甘言にのってしまった比呂は……。
狗神も事情を抱え弱っていて本音を言わないし、
比呂も一本気で気が強いので……
この二人が心通わせるまでもう色々色々あって!!!
涙流しながら読んでた。。。
二人の言い分はそれぞれに理由がある。でも平行線。。。
少しずつ少しずつ、お互いの心情を吐露して、歩み寄って理解しあうとこは、
比呂の成長ぶりでもあって狗神の回復でもあって……。
二人の歩み寄りは、読んで味わっていただきたい(;;)
ぜひぜひ!オススメです(;;)
愛の巣へ落ちろ! [BL小説 樋口美沙緒]
樋口美沙緒 著。
受(青木翼):シジミチョウ科ツバメシジミ出身 高校生
攻(七雲澄也):メキシカンレッドニー・タランチュラ 高校生
身体が弱く家に閉じこもり気味だった翼はある日見たテレビ番組に星北学園に入学することを決意した。ロウクラスな自分とは違いハイクラスな人々が集まる名門学校は、翼が思った以上に風当たりが厳しかった。ここに来ようと翼を決意させた澄也にも嫌われその上強引に抱かれてしまう。抱いている間だけ優しい澄也にぐずぐずにされてしまった翼だったが……。
虫擬人化シリーズ。
と聞いていたけれど実際読んでみると擬人化とはちょっと違う。
虫と人とが融合した新しい人類の生きる世界、というなかなか面白い設定。
虫としての特殊能力が残っていて、それがキャラに活かされてる。
翼はシジミチョウの、澄也はタランチュラとしての。
それがBLらしいエチシーンに上手く取り入れられててめっちゃ萌えるし、
話として苦しいくらいに切ない設定になっていたりで……ああこれめっちゃ面白いなヽ(゚∀゚)ノ
翼と澄也の関係がロウクラスとハイクラスという身分差愛でうまくいかなかったり、
翼のさらに特殊な性モザイクという体質ゆえの問題がもちあがってきたり、
もうこれどうなるのおおおお?!と最後までハラハラしながら読んだ。。。
性モザイクとは男女どちらもの機能を持つというもの。
ふたなりに近いものがあって人によっては受け付けない設定かもしれない。
でもそれもまた上手くこの話に活かされている設定なんだー!これなくちゃダメなんだー!
もう早く●●作ろうそうしよう(・∀・)ノ
ほんとに一気に読んでしまった。
面白かった。シリーズ全部読むー!
愚か者の最後の恋人 [BL小説 樋口美沙緒]
樋口美沙緒 著。
受(キユナ・フィーレン):フレイの従者
攻(フレイ・エオトス):領主の次男坊
ひょんなことから惚れ薬を飲んでしまったキユナはフレイに片恋してしまう。解薬を手に入れるために愚か者の最後の恋人になるという賭けをすることになったキユナだが……。
下巻かスピンかと思うほど唐突に始まって世界に入れぬまま終わった…。
もうちょっと世界観を詰めて欲しいかな。
なんで?と思う展開がしばしば…。
BL読んでるというよりロマンス本読んでる気分だった。放蕩モノ。
しかし最後の展開には苦笑。。。
ヒストリカルだったらもちっといけたと思うんだが。
ヒストリカルを装ったぬるいファンタジーでちょっと受け付けなかった。。。