華なるもの [BL漫画 その他]
西つるみ 著。
受(高前):北面の武士
平安後期、北面の武士となった高前は院の寵愛も厚く、公卿からの文も絶えず送られてくるような存在であった。宮廷の中で高前の目指すものは……。
平安後期、貴族の世から武士の世界へと切り替わるあたり。
主人公である高前は男色によって主従関係を変えながら宮廷を渡り歩いていく……。
権謀術数ドロドロドロドロ。。。
平安末期の宮廷を雅なだけじゃ終わらせない話運びはなかなかなものの、
ただドロドロなだけで面白くない。つか後味悪い。
ドロドロの中に生き、自分もドロドロの種をまいていく、主人公の高前が何をしたいのかよくわからない。
上を目指しているわけでもなく、復讐とかそういう名目があるわけでもなく。
権謀術数渦巻く宮廷で生き残るためなんだろうけど、それにしてはちょっと……
リアルではありだけど、一応物語なんだからもうちょっと肉付けが欲しいっていうか……
つまり。。。主人公にまったく共感できなかった。
もっとこう、高前がどうあっても悪でしかないあれこれをやることに対して
共感できるような理由みたいなものが欲しかった。
こういうドロドロに満ち溢れたような作品を面白いと思うには
登場人物に共感できなければ無理なのだとなぁと良くわかる。
いい人じゃなくたって全然構わない。
けれど登場人物がそうなった背景が垣間見えなければこちらは困惑するしかない。
高前を含めて、登場人物すべての書き込みがさらっとしていて、表面しか伝わってこない。
背景が見えてこないから、起こす事に対して何を考えているのかわからず、共感にいたらない。
宮廷で生き残るのって大変ですね、とは思ってもそれ以上はない。
罠にかかって死んじゃった人の方が可哀想で仕方ないとか……
読後に後味の悪さが残っただけだった。
途中で続きを書くことになったという裏事情があるにせよ、
1話目と2話目、3話目以降のちぐはぐさも気になった。
タグ:西つるみ
2013-09-16 00:37
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