SSブログ

ホテル・ラヴィアンローズ [BL小説 高遠琉加]


ホテル・ラヴィアンローズ (B‐PRINCE文庫)

ホテル・ラヴィアンローズ (B‐PRINCE文庫)

  • 作者: 高遠 琉加
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 文庫


高遠琉加 著。

ホテル・ラヴィアンローズを舞台にした3つのオムニバス。
東京の中心をはずれた街の、さらに駅前からはずれた場所に建つホテル・ラヴィアンローズ。
年月を経た古びた洋館で、客室数も少なく、かといって優雅なホテル滞在を楽しむほどの空間でもなく、老舗の風格があるわけでもなく、ビジネスホテルでもなく……。なにもかもが中途半端な、あまり流行ってない小さなホテル。

だけれどこのホテルにはひとつだけ特徴がある。
全室、内装が違って、各部屋ごとに基調となるカラーが決められていて、その色ですべてが揃えられていた。そのため部屋は、部屋番号だけではなく色の名前で呼ばれることもあった。赤の部屋、青の部屋……と。

1話目は青の部屋。
【青】が題材だけあって、テーマは青春。
廃業して荒廃したホテル・ラヴィアンローズで、高校時代にあったことを思い出す主人公。
主人公たちはそれぞれに悩みを抱えていて、狭い世界から抜け出そうとして逃避行する。
この、自分の周囲がすべてみたいな、狭い世界で息苦しく生きていて、そこから逃げ出そうと逃避行する過程が、まさに高校生という若さゆえっぽくて良かった。

2話目は赤の部屋。
毎週末、赤の部屋に泊まりにくる客に、フロント係は徐々に気になって……ていう。
ホテルの幽霊話と、毎週末赤の部屋に泊まりにくる客の過去がリンクしちゃうんだけど、
展開的にちょっと都合よくまとめちゃってる気が……(´・∀・`)

3話目は書き下ろし。
ホテル・ラヴィアンローズが生まれるまでの話。
これが一番良かったな。恋人は結婚して幸せになった方がいいから僕は身を引く、とかありきたりだけど、全体的に切なくっていい話だったー。
ルンルンしながら恋人の好きな調合のコーヒーいれてるのに「恋人と別れようと思っている」という出だしは、なかなか強烈でひきつけるもんがあったw


オムニバスだけに、もっとバリエーションがあると良かったなぁ。もうちょっと読みたい。
あと最初の話でホテル・ラヴィアンローズは現在潰れてるってのはどうなんだろう。。。
細々とでも営業を続けている形だったら、3話で終わっていたとしても、
その後もあのホテルでは色んな話が生まれてるんだろうなぁ…って思えるんだけど。
最後まで(´・ω・`)ショボーンとした気持ちを引きずってしまった……。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。